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記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター
回収可能価額について減損会計を例に説明します。減損会計では、資産価値が大きく下落したときは、貸借対照表価額(取得価額)を回収可能価額まで切り下げることが規定されています。この場合の回収可能価額は「正味売却価額と使用価値のいずれか高い方」と定義されています。正味売却価額とは他人に売った場合に獲得できる金額であり、使用価値とは自分がそのまま使用して得られるときの将来キャッシュフローの現在価値です。企業が経済合理的に行動する限り、有利な方を選択するはずですから、正味売却価額と使用価値のいずれか高い方が回収可能価額となります。ただ、その重点の置き方はインフレ時とデフレ時で異なってきます。 インフレ状況では物の値段は上昇傾向にあり、資産の移転は容易です。資産は持っているだけで価値を増やします。この状況では使用価値より正味売却価額が重要です。 一方、デフレ状況では物の値段は下がります。資産は動きにくく、資産売却は簡単ではありません。所有している資産をどのように活用するかの使用価値の重要性が増します。自分で資産を利用して、いくらのキャッシュフローを生んでいるかを常につかんでおかなければなりません。 つまり、インフレ時には正味売却価額、デフレ時には使用価値が重要になるのです。(つづく) (記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター) |